3年生の授業では「アートによる社会包摂実習」に取り組んでいます。
この実習では、これまで学んできた「表現」や「アート」が社会においてどんな意味・役割があるのかということについて、様々な例に触れながら考えていきます。
先日、西成地区にあるアートNPO 「こえとことばとこころの部屋」(ココルーム) より詩人の上田假奈代さんをお迎えしワークショップを行っていただきました。
初めはココルームでの活動のお話を伺います。
コロナでStay homeが叫ばれるなか、家にとどまることができない人がいることや、ココルームがそうした人々の心の居場所になったお話。ココルームが主催している「釜ヶ崎芸術大学」では、アートによって参加する人の属性にとらわれないフラットな関係性を築き「支援する人/される人」「ありがとうを言う人/いわれる人」という固定化された役割が揺らいでいくこと。
事前に「若者の貧困」や「西成の歴史」について事前学習をしていた生徒たちは、上田さんから直接聞くお話を前のめりに伺っていました。
後半はワークショップ。
テーマから連想したものを絵に起こし、ペアになってその背景を丁寧に聞き取っていきます。そこで聞いた話から想像を膨らませ、詩を作ります。
真剣に相手の話に耳をかたむけ、相手のために言葉を探す時間。
「詩」を媒介とすることで、3年間共に過ごしてきた友達や先生の新たな一面を発見し、アートにしかできないコミュニケーションの形を感じました。
3年生はいよいよ進路選択の時期です。
社会においての自分自身の役割について、すこしづつ思考を開いていく期間が始まっています。