演劇は「出会い」の芸術です。
演者と観客が作品を通じて出会い、そこに関係性が生まれることで成立します。
表コミの公演は、普段授業をおこなっているアトリエに客席を設置した劇場施設で行なわれます。学校の中に劇場があるからこそ、公演には同級生、部活の先輩・後輩、普段お世話になっている先生方などなど、多くの方が観客として足を運んでくれるのです。
そんな「学校の中の劇場」で上演された自画像公演に寄せられたアンケートを紹介します。
「私も色んな世界を見て、知りたいことがたくさんあるけど、もちろん怖いなという気持ちがあって、とても共感した。自分っていうよくわからん存在を、もっと私も知るべきやなって思いました。自画像を見て、自分も変わりたいと思いました。(高校1年生)」
「心の内をさらけ出すっていうのはすごく大変だし、自分だったらつらいだろうなあと思うけれど、さらけ出された方からすると好感度がめっちゃ上がります。一回見ただけで感動して、知らない人でも知ってる人でも、もっと話してみたいと思ってしまいました。(高校1年生)」
「みんなそれぞれ悩みがあって、私だけじゃないと改めて思った。私も時々自分の仲のいい人とか環境にいたほうが楽だし、楽しいと思ってしまう時があるけれど、この自画像を見て新しい環境や人に接することで自分の考えが変わったり新しい自分を発見できる楽しさを思い出しました。」(高校3年生)
劇場という非日常の空間で、見せたことのない一面を発揮する生徒たち。
同級生たちがその姿に出会い、「悩んでいるのは自分だけではないんだ」「自分にも何かできるかもしれない」と、少しの勇気をもらう。
それを見た大人が、「普段、画一的な視点で生徒を捉えていないだろうか」と少しの気づきをもらう。
劇場は学校という空間に、揺らぎをもたらす場所なのかもしれません。