追手門学院高校・表現コミュニケーションコース活動ブログ

大阪府茨木市にある追手門学院高校・表現コミュニケーションコースの活動ブログです。普通課のカリキュラムに週8時間、演劇とダンスの表現教育を行っています。日々の活動の様子をお伝えします!

ヒョーコミプレゼンツ!#8 卒業生インタビュー【政兼由奈】


 

 

ヒョーコミプレゼンツ!第8回!!

インタビュアーは表コミを「はじまり」から知る表現科教員の福岡が務めます★

ゆうなは3年間の表現教育を受けた後、現在はイラストやデザインを学びお仕事につなげています。先日のハローフェスのフライヤーのイラストもゆうなが描いてくれました!!デザインでも他者の視点になってみることはとても大事ですね。

 

-今の所属は?

近畿大学文芸学部芸術学科造形芸術専攻です。

 

-なんでその学校を選んだの?

もともと芸大とか美術大学の選択肢はあったんですけど…総合大学のいろんな学部がある中に芸術学科があるっていうのをたまたま近大のオープンキャンパスに行った時に知って…そこで、その表コミとかでいろんな人と関わったりとか、芸術の中にもいろんな形があって舞台専攻とか、地域との関わりの中で芸術があるっていうのを知って…それだったら美術系の人がたくさんいるところよりも、できるだけいろんな人と関わってそこの人たちとコラボしたりとできるのがすごい魅力的だな~って思ってたので、ここを選びました。

 

-今はどんなゼミにいるの?

イラストアートゼミです。雑誌の中の1ページの絵だったり商業に関わるイラストを書くこととかやっています。自分の興味を持っているゲーム会社でリリースされそうなゲームを想像してデザインするという課題があって、こんな感じのものを書いています!(絵)

 

-うわ〜!すごいね!

その他にも博記念公園と近畿大学文芸学部が産学協同でコラボして「大阪・関西万博」を盛り上げるためのプロジェクトで制作したりしています。クライアントの方の要望を聞いて、アプリの中のイラストを描くこともしています。

 

-ゆうなが表コミに入学しようと思った理由を教えてください。

中学生の頃は、友達いっぱい作りたいとか、いろんな人と喋りたいと心の中では思ってても、なんとなく避けたり怖がって話すのやめようっていつも思っちゃってて。表現コミュニケーションコースっていう名前とか、人の関わりとかそういうコミュニケーション力っていうのを聞いて、中学校の時にすごい苦手意識を持ってたので、ここに入ったら変われるじゃないかと思って入りました。

 

━入ってからどうだった?

んーすごい楽しいんですけど…大変でした(笑)どうしても周りを比べてしまったりだとか、やりたいのにそこまで行けないとか、もどかしい気持ちがありました。多分、体力だとか基本的な所からやっぱ違うなとか思ったり、自画像やった時に…自分では結構考えてるつもりだったけど、まだ浅いって言われたり、考え方とか気持ちの持って行き方が最初は全然わからなくって。どうしたらいいんだろうっていうのは、結構ありました。でもみんなと公演だったり、授業の中で協力しないといけない場面が多くて、自然と周りが考えていることがわかるようになってきたり…自分の意志が出せたり、自己主張することがどんどんできるようになっていったことで、わかるようになってきたっていうか。なんとなく表現?することができるようになってきて、友達とのコミュニケーションも取りやすくなってきましたね。

 

━協力しないといけない場面って、例えばどんな場面?
ダンス公演だったり、授業でやるようなペアワークですかね。その子と一体になるっていう気持ちを持ってないとできないことがいっぱいあって、身体的なワークは、本当に信用してないとできなかったから難しかったですね。「あっなんか出来るようになってきたかも」って思ったのは本当に3年生になったくらいで… (笑)

 

 

━高校3年間表コミで過ごして、変わったと思う?
すごい変わったと思います。表コミに入ってから、人を遠目で見て、「あ、やめとこ」じゃなくて…その人に興味を持って、「なんでこの人はこういうこと言うんだろうか?」だとか「その人の考えてることを自分で考えてみたい」だとかそういう作業ができるようになった気がします。それができるようになると、今度はその人がすごい面白く見えたり、魅力がわかるようになったので、表コミに入ったおかげで、人と関わることがすごい面白いということやったりとか、人と関わることがすごいいろんな面で大事なんやっていうのが理解できました。多分、表コミに入ってなかったら自分の落ち着く人だとか好きな人だけのすごい狭い範囲の人と関わって、そのまま大人になっていったんやろうなと思うと、あーやっぱ表コミに入って良かったなと思っています。あとは、客観的に自分のことを見れるようになりました。

 

━なんでその客観的に見れるようになったの?なんかきっかけとか印象に残ってることある?
繋がるか分かんないんですけど、先生が1回「苦手なことは他の人に任せたらいいから、ゆうなはゆうなの得意なところを頑張って出していけばいいんじゃない?」みたいなことを言ってくれはって(笑)なんか 3年の時に言われた気がするんですけど…それから結構気持ちが楽になったというか、他の人のことを信用して、確かに自分の苦手なことは結構あるから、自分の得意なことはもっと自信を持っていろいろ発信していけばいいんだっていうのが分かって。苦手なことを「何でできないんだろう」って、うう〜ってネガティブにならないで、こういうのは苦手なんだって受け入れて、じゃあどうしたら他のことでカバーできるかな?とか、じゃあこれはこの人に頼んでっていうのが結構できるようになって。そこから気持ちの整理ができるようになって、日常生活でも頭がパンパンになることが減りました。


━確かにね。いつも飽和してたよね、うわぁ〜どうしよう〜みたいな感じて(笑)。
うん(笑)


━私すごい覚えてるのが…2年生後半のインプロの授業の時!安威の校舎のすみっこに行ってうぇ~んて泣いてたの覚えてるよ(笑)あれは、なんで泣いてたの? 

多分できないことも悲しかったし、周りの空気をつかめてなかったんですかね?できないし、わからないし、でも頑張りたいし・・・の狭間にいた気がします(笑)

 

━ゆうなはいつも健気に投げ出さないで頑張ってたイメージ。じゃあ、表コミで具体的にどんなことを学んだと思う?

いっぱいあるんですけど……今思うことは…。ちょっと自分の家の話になっちゃうんですけど、去年親が入院したんです。中学の時にも同じようなことがあったんですけど、またなってしまって・・・2回目だったので、家族もそんなに混乱することもなかったんですけど、それでも結構大変で。自分も大学に行きたいんですけど家を出られない状況が続いて。

 

━そっか、大変やったんやね・・・。

でもその時に、学校の先生とか友達が私のことを信用してくれて。良い関係ができてたので、すごい支えてくれたり、「いいよ、私がやっとくから 」とかすごいいろんな人に助けてもらったんです。その時に「あ、やっぱり人との繋がりって大事やなー」と思って…家族とのコミュニケーションも大事やし、本当に自分の周りにいる人を大切にしてお互いに助け合ったりとか、関わっていくことは、自分の救いになることがあるから、そういう支え合うってことを大切にしなきゃいけないって実感したんです。きっと表コミで、そういうことを学んできてたから…大学でも人との繋がりを大切にできるようになってたんやと思います。


━表コミで人との繋がり方や信頼関係をどう築くか?ってことを学べていたからこそ、その学校の人とか友達といい関係を築けたってこと?。
そうですね。中学校までの自分やったら、本当に辛くても誰にも言わなかったやろうし、急に遊ばなくなって、いろんな関係を断ち切ってた気がします。実際に中学生の頃は、急に喋らなくなった子達とかもいて、結構後悔してたんですよね、すごい仲良くしてくれてたのに全く喋らなくなっちゃったりして。でも今仲良くしてる子たちには…冷静に、今こういうことがあってちょっと遊んだりとかそういうのが難しい、っていう相談ができて、友達も意外とすんなり受け入れてくれて信用していいんだっていう気持ちになれました。


━高校で、できない自分を受け入れたり、辛いことを辛いって言えるようになってたから、人に頼ることができたのかな。
そうだと思います。

━では最後に、表コミを色で例えると何色だと思いますか?

クリーム色みたいなキャンバスの色…これから描かれていくみたいな…

 

━これから描かれていくっていうのはみんながってこと?
そうですね、なんか卒業する時とか授業でも結構言われてたと思うんですけど…これから社会に出た時に、この授業だったり色々な経験から身につけたコミュニケーション力で、いろんな人と繋がったり、そういうところで役立つことがあると思うからっていう話を結構されてたのがイメージであって。なので表コミを土台として、どんどん大人になって飛び出していくみたいな感じで、そこからはやっぱり自分たちが描いていく未来だと思います。

 

▼在校中

 

 

▼現在

 

 

〈最後に一言〉

私は表コミがあったからこそ、今の自分が居ます。
当たり前のようで、なかなか感じることの出来ない、「人と関わること」や「自分と他者の違いを知ること」の大切さを、高校生で実感できたことは本当に良かったです。
そして、私は表コミで、芸術表現を通して誰かを楽しませたり、人と人との繋がりを生み出すことの素晴らしさを知りました。
だから今、大学で美術を学び、人に笑顔になってもらうためにイラストレーションなどの作品制作を続けています。
これからの人生、色んなことがあると思いますが、周りにいる人や環境に感謝し、表コミで学んだことを土台として、前向きに挑戦していきたいです!