3年生は「芸術による社会包摂」をテーマにしたプログラムを行っています。
卒業公演までで培ってきた表現の力を、どう社会につなげていくことができるのか。自分が社会で果たすことができる役割とは何なのか。
今までいた世界から一歩外に出て、より広い「社会」から自分自身を捉えなおす取り組みです。
先日は、西成地区で「ココルーム」というゲストハウス兼表現の場を運営されている詩人の上田假奈代さん、そして西成のおじさん4名をお迎えして、特別ワークショップを実施していただきました。
このワークショップでは、キーワードから連想した思い出やエピソードをお互いにシェアし、そこから詩を創作していきました。
話を聞く耳があることで、はじめて聞かれる声がある。
ひとりひとりの中に眠っていた、ちいさなエピソードが丁寧に掘り起こされていきます。
アートという装置を使うことで、偏見や固定概念に支配されない、「つながり」が生まれる瞬間を目にすることができました。
---生徒の感想より---
自分が描いた絵に他者の言葉がのることによってなんとなく人生の交わりのようなものを感じました。自分が見た景色と体験したことに他者が見た景色と体験しことから出る言葉が乗ることによって自分のストーリーがまた違ったものに見えてすごく面白かったです。このWSを通して他者と自分の人生は違うけど、こうやって交わることができて、そこに嬉しさや幸せを感じられるのかなと思いました。
私がペアを組んだおじさんは、高校に入る年齢で就職していらっしゃった。自分の字が下手と言っていたけれど、とても素敵な詩を作ってくださったし、とても素敵な字だと思った。
詩はうまく書くのが目的じゃなくて、人とのかかわり、交わりを言葉にして残して、誰かに受け取ってもらうために書くものなのかなと思った。人とかかわることの大切さ、人とのつながりを感じられるような経験を一人でも多くの人と共有したいなと思った。